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2008/03/07

川越鶴川座復原にむけJATET木造劇場研究会が川越で開催

2月24日(日)、JATET木造劇場研究会が、JATETメンバー、川越蔵の会、近隣住民の方々を交えて川越で行われました。

現在は使用されずに廃れている鶴川座の現状見学と、その復原のための調査をされている伝統技法研究会の大平さんと文化財建造物保存技術協会の賀古さんより、調査の途中報告がされました。


       鶴川座内観


       スクリーン

以前、映画館のために改装が施されていますが、その仕上げの裏には、江戸時代からの伝統的な様式を持つ芝居小屋の様子が伺われるようです。このような劇場は関東では此処しかなくなっているようで、大変価値があるように思いました。鶴川座は映画館の時代の意匠に復原する方法と、芝居小屋に戻す方向と二通りがあるようですが、江戸時代の雰囲気を持つ芝居小屋は現在ほとんど無く、鶴川座の存在が非常に貴重であり、また、その芝居小屋の音響的な空間が日本の伝統的な歌舞伎などの芸能文化の音響的な特徴を育てたのではないかという研究を実証する意味で、さらに貴重なものだと感じています。創建当時のままに復元が出来ればすばらしいことだと思っています。
復原できた暁には、歌舞伎などの伝統芸能だけでなく、様々なジャンルの芸能、現代演劇や音楽などが活発に公演され、街興しに大きく役に立つと良いと思います。江戸時代の様式を持つ歌舞伎劇場は、舞台と客席が一体となっており、現代演劇にも適した最も新しい現代の劇場であることがわかってきてきます。

研究会では、復原にあたっての法律的な問題や、どのような過程で、どのように復原するか、復原後どのように維持活用したらよいか活発な議論がされました。
音響的には、現在の屋根が鉄板葺であるために、雨音が大きく(24日当日も風が強く、屋根があおられて大きな音を出していました)、復原にあたっては注意すべきことです。また、芝居小屋の両隣が民家であり、劇場で大きな音を出すためには、何か対策が必要だと思われます。